女は意志ひとつあればよいのだ『極私的エロス・恋歌1974』
ドキュメンタリーでは超有名、原一男監督の傑作です。
「自力出産シーン」があるときき、下世話な動機で観てみました。
自力出産どころか、
今カノによる元カノインタビュー!
元カノとその新恋人を撮影!
どうやら今カレに夢中らしいぞ!
からの監督、泣きだす!
からの元カノとのハメ撮り!
(時系列前後してるかも)
なんじゃこりゃー!!!!
最高じゃないかー!!!!!
そもそも監督自身、同棲したことのある元カノ、みゆきさんが沖縄に移り住むときき、
彼女をカメラで撮ることにして、関係を絶たないようにしたという。
未練ですねえ。
実は監督との間に子供ができていたのですが、
作中では当たり前のようにみゆきさんが子供を連れて沖縄に発ちました。
子供が欲しけりゃ結婚が先だと思っていたけど、
産みたきゃ産めばいいもんな。
そもそも、結婚しなくったっていいもんな。ほほぉ〜(感心)
映画のなかでは、最後みゆきさんは子を持つ女性のシェアハウスに、
子供2人と住んでいます。最後まで結婚していません。
ほんとみゆきさん、
「自分に必要なものがわからないやつはダメ」
と迷いなく言い放つように、
自分の意志のままに動きます。
もちろん子連れで、生きるのに一生懸命。でも彼女の意思はとっても自由です。
DVDの特典映像で監督さんの最近のお話が収録されていましたが、
当時はみゆきさんのような意思を持つ女性は少なくなかったとか。
今より情報が少なく女性の社会的地位も今ほどではなかったろう。
戦うように生きて子供を産み育てている彼女の姿が印象的でした。
さてそんな映画から約半世紀がたった今。
アラサーの私は子供ほしいし結婚したいし、でも実現できなくて苦しんでいる。
(遠距離の彼に結婚の意思を伝えたらやんわり断られた、でも好きで別れたくない)
でもよく考えて?
こんなに個人の生き方が多様化してるのに、
「結婚して一緒に暮らす→出産」なんて画一されたルート、
そりゃ皆簡単に乗れないでしょうよ。
結婚を目的にしがちだけど、
果たしてそれが私に必要なことか?
私は家族が欲しいんだ。
本当は実家の両親のもとに戻りたい。
でも彼らは私より先に死ぬから、
私と同じかそれより若い、新しいメンバーが必要だ。
パートナーや、子供が欲しいんだ。
深いつながりさえあれば、最悪一緒に暮らさなくてもいい。
遠距離の彼も、そのまま遠距離結婚だったら受け入れてくれるかもしれない。
それが叶わないなら、彼との関係を維持したままかしらないけど、
実家に戻って、彼か誰かの子供を産んで両親と育てるのもありだ。
結婚しなくたって希望は叶えられる。
「お父さんがいないとかわいそう」とか「無責任」とか、
社会がつくる空気感にあたって、ただれそうになるかもしれないけど、
覚悟さえあればなんとでもなる。
ていうか父親がいなくても子供には問題ないでしょうよ。
祖母は結婚せず女手一つで母を育てた。私は祖母も母も尊敬している。
父親のいない友人が幸福そうに暮らしているのを知っている。
「自分はなにがしたい?」
これをクリアにして、
それを叶えるありったけの手段を考える努力が必要かもしれない。
安易に街コンとか行く前にね。
結局、どんな作品をみてもこの結論に至ります。
ちなみに。
出産もだけど、セックス中の自分も見てみたいから監督(元彼)に撮影依頼したって、
みゆきさん最強かよ。